「おまとめローン」は、複数ある借り入れ先をひとつにできるだけでなく、返済負担を軽減できる点が魅力です。しかし、メリットはそれだけではありません。
おまとめローンは「総量規制」の対象外である点も要注目です。
総量規制といえば、年収の1/3を超える借り入れを制限するルールですが、例外的におまとめローンがふくまれるのはご存知でしょうか?
今回は、総量規制と「おまとめローン」について解説していくので、気になる方はチェックしてみてください。
おまとめローンって何?総量規制との関係について解説
まずは、「おまとめローン」とは何かを理解していきましょう。ここでは、おまとめローンの基礎知識と総量規制との関係について考えていきます。
おまとめローンの基本的な仕組み
「おまとめローン」とは、複数からの借り入れをひとつにまとめられる金融商品を指します。
おもに返済負担を軽減する策として活用されています。複数をバラバラに契約しているときよりも金利を圧縮できる可能性があり、トータルの返済額を抑えたい人に適したサービスといえるでしょう。
クレジットカードのリボ払いで元本がなかなか減らない状況や、消費者金融でのキャッシング枠いっぱいの借り入れといった状態では生活を維持するだけで一苦労です。
「おまとめローン」に乗り換えることで、より有利な条件で資金繰りができるようになります。
総量規制とは?貸金業法との関連について
「総量規制」は、貸金業法に基づくルールです。利用者の過剰借り入れをおさえるために制定された金融業界に対する規制を指します。
総量規制によって、クレジットカード・消費者金融での借り入れが、年収の1/3を超えないように制限されています。
たとえば、年収が300万円の人が借り入れをする場合、上限額はすべてあわせて100万円で、それ以上は原則できません。
総量規制は、多重債務が社会問題になったことで国が規制に乗り出した…という経緯があります。
ちなみに、銀行からの借り入れは総量規制の範囲外です。
なぜ「おまとめローン」が総量規制の対象外になるのか
「おまとめローン」が総量規制のルールから外れるのは、「乗り換え」または「一本化」の特例として認められるからです。
この特例措置により、多重債務からの借り換えがかんたんになり、年収の1/3を超える借り入れ時も規制対象とはならずに済みます。
なお、総量規制が適用されるのは、クレジットカード会社、消費者金融会社です。銀行系は「銀行法」のルールで運営されるため、総量規制の影響を受けません。
おまとめローンはなぜ総量規制の対象外なの?理由を解説
本来、年収の1/3を超える借り入れができないのが総量規制ですが、「おまとめローン」がどうして規制の対象外となるのでしょう? ここでは、おまとめローンが規制の範囲外として扱われる理由について解説していきます。
貸金業法の特例としての扱い
貸金業法では、「乗り換え」や「一本化」といった特例がルール内にふくまれています。返済負担の軽減を目的とする「おまとめローン」は特例に該当するため、総量規制の対象外となるのです。
この特例によって、年収の1/3を超える借り入れが可能になります。
複数社からの借り入れがまとまって返済負担も減るので、多重債務の方に適したサービスといえますね。
銀行系融資が対象外になるケースとは?
銀行系「おまとめローン」は、「銀行融資」に属するため、総量規制の影響を受けません。あくまで、総量規制はクレジットカードや消費者金融を規制するためのルールです。
そのため、銀行が提供する「おまとめローン」であれば、1/3を超える借り入れをしている人も審査対象となり得ます。
総量規制の基礎知識|おまとめローン利用前にしておくべきこと
「おまとめローン」を利用するなら、あらかじめ総量規制の影響について理解をしておくと、よりスムーズな資金繰りができます。ここでは、総量規制の基礎的な知識やおまとめローンの利用前にやっておくべきことを説明します。
総量規制 | 年収の1/3ルールとは
総量規制とセットで語られる「年収の1/3ルール」とは、年収の3分の1を超えないようにする規則を指します。
消費者の借りすぎを防ぎつつ、健全な返済を促す目的でルールが制定されました。
例えば、年収が300万円の人が借り入れをする場合、その上限額はすべてを合算したときに100万円となるしくみです。
ですが、「おまとめローン」や銀行系の融資はこのルールの対象外となります。
総量規制の影響をうける金融機関 & 対象外との違い
総量規制のルールが適用されるのは、クレジットカード会社や消費者金融会社です。銀行系の場合は「銀行法」のもと運営される機関のため、総量規制の影響を受けません。
この違いによって、クレジットカード会社や消費者金融で借り入れがむずかしい場合でも銀行系なら融資を受けられる可能性があるのです。
利用前に信用情報をチェックしておこう
複数の借り入れをしている状態から「おまとめローン」を利用するなら、信用情報のチェックをしておくと良いでしょう。
金融機関は融資申請者の信用情報をもとに融資の可否を決めます。信用情報は、あなたの金融取引の履歴がしっかりと記録されています。
過去の延滞情報や返済状況が審査結果を左右することも少なくありません。
気になる人は、審査前にご自身で信用情報を取り寄せて対策を講じておくと良いでしょう。
履歴を把握し現状の改善をはかることで審査をスムーズに行えます。さらに、返済計画を立てやすくもなります。
おまとめローンを利用するメリット|総量規制対象外でできることは?
「おまとめローン」利用に関するメリットにはどういったものがあるのでしょう? 以下で解説していきます。
年収の1/3を超えても融資してもらえる
「おまとめローン」は、総量規制の影響を受けないので年収の1/3を超える借り入れが可能です。
この抜け道によって、借り入れ先をひとつにできるので多重債務でくるしい思いをしている人にはより多くの恩恵が期待できるでしょう。
月々の返済負担が軽減される
「おまとめローン」を利用することで返済先がひとつになるため、月々の返済負担が軽減されます。
長期的におまとめローンと付き合っていく予定の人なら、返済しつつ余裕のできた部分を貯金に回したり、学資保険など未来を見据えた予算を確保したりできるのもメリットといえますね。
さらに、時間の節約や手数料負担の圧縮など、複数のメリットを一気に手に入れられるのも大きな魅力といえるでしょう。
返済計画をかんたんに立てられる
「おまとめローン」を利用すれば、返済計画の立案がかんたんになります。
複数社からの借り入れがひとつになるので、お金の出入りがハッキリとわかる形で追跡可能です。
そして、返済が習慣化すれば、あなたの信用情報もプラスに傾くので今後の資金繰りにも良い影響をもたらしてくれるでしょう。
総量規制対象外おすすめのおまとめローン5選
ここでは、総量規制の対象外で、審査が柔軟かつ利便性の高いおまとめローンを5つご紹介します。自分の状況に合ったローンを選ぶ際の参考にしてください。
中央リテール
中央リテールは、おまとめローンに特化した金融機関で、総量規制の対象外として多くの利用者に利用されています。過去の信用情報よりも現状を重視した柔軟な審査が特徴です。
デイリーキャッシング
デイリーキャッシングは、即日融資が可能なおまとめローンを提供しています。総量規制の対象外であるため、年収の1/3を超える借入が可能です。スピーディな審査が人気です。
ユーファイナンス(U-Finance)
ユーファイナンスは、全国対応で利用しやすく、総量規制対象外のおまとめローンを提供しています。過去に信用情報で不安があっても、現状重視の審査で通りやすいです。
ダイエットキャッシング
ダイエットキャッシングは、低金利のおまとめローンを提供しており、総量規制の対象外のため年収の制限なく利用可能です。返済負担を減らしたい方に向いています。
首都圏キャッシングサービス
首都圏キャッシングサービスは、迅速な審査・即日融資が特徴で、延滞中の方にも対応する柔軟な審査が評判です。総量規制の対象外で、利用しやすい条件が整っています。
総量規制対象外のおまとめローン|おもな利用条件と審査基準について
「おまとめローン」は誰でも気軽に利用できるサービスではありません。
以下でおもな利用条件と審査基準について説明していきます。申請前に目を通しておきましょう。
条件1:「安定収入」は必須
「おまとめローン」の審査では、あなたに安定収入があるかをチェックします。
審査において収入の有無は「返済能力」を判断するうえで欠かすことができない重要な要素です。
返済能力に不安を持たれなければ、審査に受かる可能性は高くなります。
正社員をはじめ契約社員やアルバイト、パートといった人であっても定収入を継続的に得ている人であれば融資のチャンスがあります。
条件2:「年齢制限」や「収入証明」について
「おまとめローン」では、年齢制限が設定されている場合が大半です。
一般的な金融機関では20歳から65歳以下が利用対象にふくまれます。
収入証明書についてですが、融資額によっては提出を求められる流れになるでしょう。
高額であるほど金融機関側は貸倒れリスクをおそれるため、高額融資を希望するのであれば、あらかじめ用意しておいたほうが良いでしょう。
収入証明ができるものはさまざまありますが、給与明細書や源泉徴収票でOKです。
条件3:「職業」や「雇用形態」と審査の関係
「おまとめローン」の利用条件として、職業・雇用形態に制限を設けている金融機関もあります。
一定の収入がある場合は、自営業者やフリーランスといった属性の人でも審査対象となり得ます。
しかし、もともとの収入が低めの人や、無職(収入ゼロ)の人は門前払いとなる割合がつよいです。
銀行系「おまとめローン」を利用する場合は、正社員や契約社員といった安定収入が見込める人ほど融資結果も手堅いものになる傾向があります。
総量規制対象外のおまとめローン|金利や返済条件の比較
「おまとめローン」を選択するときは、適用される金利に要注目です。
また、返済条件にも目を向けることで、後日の後悔を防げるはずです。
ここでは、金利・返済条件について考えていきます。
比較1:金利
「おまとめローン」で適用される金利は、それぞれの金融機関によって異なりますが、おおよそ5%~18%で提供されています。
銀行系のおまとめローンでは、より低金利での借り入れが可能です。
しかし、銀行系は審査基準がきびしく設定されているため、融資までのハードルが高めな点はデメリットともいえます。
一方、消費者金融系のおまとめローンでは、柔軟な審査を期待できます。
ただし、金利が高く設定されている点がネックです。
銀行系・消費者金融系の金利を比較し、よりお得に利用できる金融機関を選びましょう。
比較2:返済期間・毎月の返済額
「おまとめローン」の返済期間は、1年~10年と幅広く設定されています。
銀行系・消費者金融系のどちらでも、返済期間に大きな違いはありません。
返済期間が長くなるほど、月々の返済額は抑えられますが、その分利息の負担が大きくなります。
そのため、無理のない範囲で、できるだけ短期間での完済を目指しましょう。
返済は収支のバランスで考える
どの金融機関を利用するにしても、収入・支出のバランスを考慮する必要があります。
月々の返済額を高く設定すると、完済までの期間は短くなりますが、生活費を圧迫するリスクがあります。
反対に、返済額を少なくすると、利息の負担が増え、長期間の返済がストレスとなる可能性もあります。
こうした点を考慮しながら、無理のない返済計画を立てましょう。
金融機関の公式サイトにある「返済シミュレーション」を活用すると、融資希望額や返済期間を入力するだけで、毎月の支払い額を確認できます。
シミュレーションを活用しながら、自分に合った返済プランを検討しましょう。
総量規制対象外のおまとめローン|審査に通るための3つの対策
「おまとめローン」の審査通過のために、必要な対策を講じていきましょう。
ここでは、重要な対策を3つに絞って解説します。
対策【1】返済能力を証明する
審査を通過するために、あなたの「返済能力」をしっかりとアピールしましょう。安定的な収入を得ていることがわかる書類(給与明細書・源泉徴収票)の控えを手元に用意しておけば大丈夫です。
とりわけ、総量規制を超える融資を希望しているときは各種書類の提出によって、審査を有利にすすめられるはずです。
対策【2】現在の借り入れすべて把握する
「おまとめローン」を利用する前の段階で借り入れすべてを把握しておきましょう。借り入れ額の累計や、残り返済期間などに目を通したうえで返済計画を練っていく必要があります。
金融機関はあなたのこれまでの金融取引についても審査の判断材料にしています。まじめに返済する姿勢が伝われば、審査も通過しやすくなるでしょう。
対策【3】信用情報の改善をいそぐ
融資を断られないためにも、信用情報に問題が残っていないか自らチェックして改善をいそぎましょう。
内容を確認したい人は、信用情報機関で開示請求してみてください。
「おまとめローン」の審査の可否は、あなたの信用情報が大きく影響します。延滞履歴があったとしても、現在の返済が健全に行われていれば、審査通過を期待できます。
おまとめローンで借り入れ先を整理!かんたんなコツ2つを紹介
「おまとめローン」は、効率的に借り入れ整理ができる便利なサービスです。
ここでは、整理をよりスムーズに行うためのコツを2つ紹介します。
金利の低い金融機関をさがして契約する
「おまとめローン」を利用する人は、長期的な借り入れを予定している人が多いと思います。まずは金利の低い金融機関をさがしてみましょう。
金利差はわずかであっても、長期的にみるとかなり大きな利息負担に化けやすいので、充分に注意してください。
返済シミュレーションで負担を予測
金融機関から借り入れを行うなら、「返済シミュレーション」で負担を予測しておくことも大切です。
公式サイトによっては、トップページに設置されているので、融資希望額や返済期間を入力してみましょう。発生する利息や総支払額が一瞬で表示されます。
これらの値をもとにして、返済期間と月々の返済額を考えていくと、将来の見通しが立ちやすくなります。
おまとめローン利用に伴うリスクやデメリットに要注意!
「おまとめローン」は、利便性にすぐれた金融サービスですが、同時にリスクやデメリットを伴います。ここでは、おまとめローンの注意するべき点を考えていきましょう。
契約によっては「高金利」が適用される
「おまとめローン」は、契約によっては高金利が適用されます。金融機関は貸倒れリスクを回避するために金利を高くせざるを得ないのです。このリスクを理解したうえで、私たちはローンと付き合っていく必要があります。
利用前に金利計算を行うなど返済計画をしっかり立てて、リスクを回避していきましょう。
長期の「支払い負担」に注意
「おまとめローン」は長期的につきあう必要のあるサービスです。結果、発生する利息が増えるだけでなく支払い負担にも影響が出てくるので要注意です。
ですが、返済期間をみじかく設定してしまうと生活基盤が揺らぐおそれもあるため、バランスをよく考えたうえで融資を申し込みましょう。
延滞をキッカケに「信用情報」が悪化するおそれ
「おまとめローン」を契約したあとで延滞をしてしまうと、あなたの信用情報にダメージが入ってしまいます。延滞の回数がふえるほど信用スコア低下が進行していくので要注意です。
信用情報の低下は、未来の借り入れ審査の足かせになり得ることを忘れてはいけません。
返済日をしっかり守ることで信用情報の改善が期待できます。将来のためにも、信用情報の悪化を防ぐ姿勢が求められます。
総量規制対象外のおまとめローン|利用における成功事例を紹介
総量規制対象外となる「おまとめローン」ですが、実際に利用された人の声が気になる人もいるでしょう。ここでは、成功事例を3つ紹介していきます。今後の参考にしてみてください。
成功例1:返済負担が軽減された
複数社から高金利でローンをくりかえしていた人が「おまとめローン」を利用したことで毎月の返済負担が軽減し、生活を立て直せたと報告しています。
負債をまとめられた結果、滞納リスクも減りますし、そこから発生するペナルティも回避しやすくなります。
成功例2:信用情報が改善された
「おまとめローン」で滞納を回避しながら返済した結果、自身の信用情報が改善され、その後の金融取引の道がひらけたといった体験談も多いです。履歴にキズがつかなければ、いまだけでなく将来の見通しも楽になってくるでしょう。
成功例3:返済計画見直しで生活が改善した
「おまとめローン」の返済計画見直しによって、生活が改善した旨の体験談も多く見受けられます。これまでの複数社から高金利で借り入れしていた状態から脱却できるので、ストレスからの解放も期待できます。
おまとめローンと総量規制に関するよくある質問と回答(Q&A)
「おまとめローン」と総量規制に関する質問のおもなものをまとめてみました。利用前に目を通しておくと不安解消ができるはずです。
Q1:総量規制対象外のおまとめローンって何?
A:銀行系が提供元となる「おまとめローン」は総量規制の対象外です。それ以外にも、特定の金融業者の特例が認められたローンも同様、年収の1/3制限の影響を受けません。
Q2:年収の1/3以上の借り入れでも大丈夫?
A:総量規制の対象からはずれる「おまとめローン」であれば、年収制限の影響を受けることなく審査に通る可能性があります。それぞれの金融機関によって方針が異なるので、事前に調べておくと良いでしょう。
Q3:総量規制の影響を受ける条件とは?
A:総量規制はおもにクレジットカード会社や消費者金融会社の借り入れが対象となりますが、銀行系ローンや「おまとめローン」は特例に合致するために対象外の括りで扱われます。まとまった融資額を必要とする場合は、総量規制対象外のサービスを選択肢に入れましょう。
Q4:おまとめローンは信用情報に影響する?
A:「おまとめローン」の利用によって、信用情報には「借り換え」の履歴が残ります。しかし、延滞を避けながら誠実に返済していれば信用スコアはプラスに転じるでしょう。返済遅延を起こさない心構えで完済までがんばってください。
まとめ|おまとめローンなら総量規制超の借入れも可能!|うまく利用しよう
「おまとめローン」は、総量規制の影響を受けないため、年収の1/3を超える融資を受けられるチャンスが生まれます。
計画的な利用によって、返済のシンプル化だけでなく返済負担額の圧縮やストレス軽減といった副次的なメリットも得られます。
また、ただしく返済計画が進むことであなたの信用情報の改善もはかれます。
今回紹介した「おまとめローン」は、生活立て直しにつながるキッカケとなるかもしれません。
利用条件やリスクもふまえ、ピッタリのサービスを見つけてみてください。